公明正大な君主を求める心【琅琊榜18話より】

最近ただの華流ファンになりつつある、かもしれない。

私はもう『三国志TK』を観ていないが、『琅琊榜』は情景や音楽・台詞に触れるのが心地よく、今年配信の回を今のところ欠かさず観ている。

18話から。心に響いた台詞を引用。

郡主:でも靖王についてはひと言 言わせて
 彼は融通が利かず権謀に疎い 即位させるのはひと苦労よ

長蘇:その欠点こそ即位後は貴重になろう
 歴代の皇帝は冷酷で権謀術数に長けた方ばかりだ

郡主:確かに陛下の言動は時に見ていられなくなる

大統領:陛下は疑い深いが 最も嘆くべきは皇太子と誉王だろう
 名君の道を学ばず 人心を弄することが治国だと思っている

長蘇:あなた方なら分かるはず
 文官は政を疎かにし武官は戦わず 権力にしがみついている
 幸い今は持ちこたえているが 次の代も同じならば
 国力は落ち安泰は保てぬだろう 

大統領:(怒り、胸を叩きながら)それを聞くと胸が締め付けられる
 ご存命の頃の祁王殿下には 朝廷を正そうとする志があった
 だが今や目も当てられぬ

郡主:でも祁王を崇めた英才たちは散り散りになったわ
 生き残っても志が変わった者 不遇である者
 祁王の志を受け継ぐのは靖王だけかも

長蘇:景えん(王+炎)は幼い頃から教えを受けてきたからな
 今の朝廷で景えんを押し上げるのは難しい
 だが志の揺るがぬ景えんなら 正義を貫く公明正大な皇帝となろう

郡主:あなたが信じているなら靖王は名君になるはずね

大統領:何よりお前がついているからな

長蘇:だからこそ景えんは――謀に直接手を染めてはならぬ
 私は地獄より生還し骨の髄まで毒された 
 あくどいことは私一人がやればいいのだ
 景えんから純真な心を失わせてはならない

太字の台詞に触れて、急に気持ちが込み上げ激しく泣いてしまった……。

なんということ、未だに中華の方々は変わらないのか。
公明正大な君子・徳王を戴きたいという心を持っている。

それなのに現状の国家体制を想うと切ない。

現代中国の方に言わせれば「その台詞は単に雰囲気づくりのため古代精神を表しただけ」なのかもしれないのだが、古代精神が今も伝わっている、そして表現できた!ということが2015年の奇跡と思う。

30年~20年前なら処刑相当だろう、こんなドラマ脚本を描いただけで。一年後には発禁となる可能性だってある。
(そもそも中国大陸のドラマで儒教精神が描かれていることが信じられない)

私はこのドラマ制作者が、どんな思いでこのドラマを描き、この台詞を役者に言わせたのかという気持ちにも共鳴して感動した。

>名君の道を学ばず 人心を弄することが治国だと思っている
>文官は政を疎かにし武官は戦わず 権力にしがみついている
>幸い今は持ちこたえているが 次の代も同じならば
>国力は落ち安泰は保てぬだろう 

これはまさに現状の指摘だろうな。

>英才たちは散り散りになったわ
>生き残っても志が変わった者 不遇である者

ここも現状そのもの。
六四の英雄たちは散り散りになり、海外では志を失い、国内では不遇で声すら上げられずにいる……。


つい現代現実に照らして眺めてしまうのは悪い癖なのかもしれない。
でも、このドラマを制作した大陸人の気持ちは古代漢人と同じだ。
文化精神を正しく表現していると思う。


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