水革命よ、拡散せよ。香港臨時政府宣言に“軍師気取り”で言及してみる



4日、香港デモ隊が「香港臨時政府宣言」を発表した。

togetter.com

まだツイッターで拡散されている次元の話で、有名メディアもこれを「一部デモ隊が発表してネットで広まった」と報じているのみ。
工作員が流したフェイクニュース説もあるが、その考えもいかがなものか。
香港市民次第でこれが正当な「国家」になるかどうかが決まる。香港市民がどの程度この政府を認めるかは分からない。デモ隊メンバーの名前が隠されているだけに香港情勢は未知の部分が多く、未だ先行き不透明である。

上のブックマークコメントではこちらのコメントが気になった。
安全な日本からスマホぽちぽちしてまったく根拠もないのに工作員認定、悪手だの負け戦だの軍師気取りのコメント。命がけで闘っている香港の人たちの目の前で言えるの? - koasdgegoのコメント / はてなブックマーク

「軍師気取り」に苦笑。
全く仰る通りと思う。
 特に「安全な日本からスマホぼちぼちしてまったく根拠もない」はその通り。

昨夜も私は香港デモ隊を「暴徒」と事実認定している日本人(在日ではない)を見かけ頭痛を覚えていた。
火炎瓶が投げられ窓ガラスが割られた映像を観ただけで暴力だと思い込み、あろうことか中共に加勢して「香港人は暴徒!」と騒いでいる。※この人々の言動は日本国にとって戦略上不利。次項で解説
彼らは、民のレジスタンスと国家防衛が本質で同じことが分からないらしい。とにかく外形しか見えないので、何事も本質で分類することができない。一括りにすべきではないことと、同じと考えるべきことの区別もつかない。
そもそも彼らは「戦争」の定義すら知らない。「戦争」とは国家の軍事を用いて外国を侵略することだけを指す言葉なのだと思っている。民のレジスタンスも防衛を整えることも、全てが「戦争」という定義の中に入るということをご存知ない。
平和ボケもここまで重症とは。甘えて育ったにも程がある。

こういう外形しか見ないで抵抗運動すら「悪」と決めつける論者など、中共へ加勢する発言をしている無責任な傍観者は実際多い。たいていは似非保守と言われる在日工作員だが、なかには知的弱者の日本人も確かにいる。
このため、香港デモを支持している人たちが傍観者を嫌うのも分かる。

ただ傍観にも良し悪しがある。
切り取った一部の映像しか見ないで勝手な事実認定をする、「視野狭窄の傍観」には百害あって一利なし。
でも引いた視点から傍観するなら役立つこともあるだろう。
戦闘に翻弄される現地では見えないものが、一歩引いた安全圏からは見えるということもあるのではないだろうか。(情報の多寡に左右されるが)
おそらくそれが本当の「軍師目線」というもの。現実の戦争でも、戦略を立てるには長期・広大な考えが不可欠と言える。

この際、私も軍師気取り(笑)で言及をしてみようか。
香港については具体的な話をすることが危険なので(危険と言うのは、自分自身だけではなく香港デモ隊にとっても)曖昧にぼかすが。


 日本の一般人も共有すべき戦略

まずは日本人として、我が日本国が採るべき戦略を考えたい。

戦略の目標は「国を守りきること」だ。
現時点では簡単に思えるかもしれないが、近い将来に国権が危機にさらされることになるのは避けられない。
香港が抵抗力を失い、台湾が凌辱されたなら次に狙われるのは日本。
これはよくネトウヨ(この記事に限り敬称)の人たちも主張している話で、左翼から「中国が日本を侵略することは有り得ない」「日本を戦争できる国にするためのデマ」と言われ嘲笑されているが、外国籍の人たちの話のほうがデマであることは明々白々だろう。親による侵略の手引きをしようと長年活動してきた人たちの話が、どうして信頼できるのか。
中国政府が考えている侵略のシナリオは子供でも分かる。
アメリカが日本に留まる限り易々と侵略できはしないのだが、いつまでも他人の保護は続くものではない。
同盟関係が今後変わらなかったとしても、中東で有事があればアメリカが東アジアへ力を割くことは難しくなる。その時、中国から見れば侵略のチャンスだ。

改憲議論になるとまた深い迷路へ誘い込まれることになるので控える。
個人的に思うに、安倍さんが仰る通りに変えればいいのでは。ただし九条に限り。国民(外国籍は当然に除く※1)の主権を妨げる条項を追加してはならない。※2
九条が掲げる理念は人類に衝撃を与えたほど素晴らしいものだ。そもそも中韓のクレームなど道理が通らないのだから無視すれば良いのだけど、欧米の平和主義者からの憧れや、何より中東からの尊敬心は日本の財産。この財産を失うべきではないと思う。
そのうえで防衛の準備はしっかり整えると良い。既に日本はそうしているか。

次、短期的な戦略としての香港情勢への対応。

欧米が公に香港デモ隊支持を表明していない今のところ、日本国政府として彼らへの支持を表明することも不可能と言える。
今、首相などトップが表立ってデモ隊支持を表明していないのは賢明だと思う。
ただし安倍さんが今回やったように、動画で中国へ祝賀コメントを出したりするのは失策。せいぜいトランプのようにツイッターで言うくらいに留めるべきだった。中国人たちは香港弾圧を日本が支持したと受け取り、欧米人にはあたかも日本が人権侵害を認めたかのように受け取られている。(中国がそのように演出している)
あえて敵対する必要はないが、過剰な支持をしてはならなかった。
イジメっ子は自分の暴力を認め支援してくれる仲間を求めている。だから、少しでも良い顔を見せるとそれを拡大解釈して「あいつは俺の味方! 暴力も認めてくれた!」と大声で叫ぶ。今そういう状況。
まして来年、主席を日本へ招いておもてなしするとは狂気の沙汰。香港・台湾の人々の失望はどれほどになるか。せっかく日本へ寄せている信愛が絶たれる。さらに他の国々から日本が人権侵害国家の仲間とみなされたら、国際的にも窮地へ追いやられるだろう。
もっとうまくやるべきだ。誰にでも尻尾を振るべきではない、犬ではないのなら。

 次に、自分を含めた一般日本人がとるべき態度。

まず当たり前だが、一般人は中国政府の行う人道に背く行為には素直に憤りを見せるべきだ。
今、人間としての感情を守っておかなければ将来抵抗する権利もなくなる。

私が「香港市民を支持すべき」と言うのは感情だけに流されているわけではなく、日本にとって有利な戦略でもあるから。
私は前から香港デモ隊を「暴徒」と呼ぶことは中共の謀略に乗ることになり、中共支持・中共支援と同じになるからやめろと言っている。香港人を「暴徒」と呼ぶことは日本国の戦略上不利
この話を理解できず「暴論だ」と言う人は、物事には全て因果があることを知らないのだろうか。予測力が無い? それでは鶏と同じ脳だと言える。

今の香港人を「暴徒」と呼び叩けば、日本への中共侵略の道筋を作ることになる
他人が虐げられ流血している最中、きゃっきゃっと喜んでイジメっ子を支持した人々は、自分が虐められた時に文句を言うことはできない。
虐待の光景に快楽を覚えてはしゃいでしまうサイコパスは黙るべき。友人知人にそういう変態がいたら黙らせてくれ。
敵に尻尾を振れば、敵そのものになるしか選択肢がなくなる。
つまり日本が中共から侵略を受けた時に抵抗しようとしても過去を持ち出され、自らを「暴徒」と呼ぶことになり、抵抗を封じられるので降参するしかなくなる。こんな簡単な理屈も分からないのだろうか。

日本は中共の侵略を食い止めなければならない。そのために今は香港を守り人道を守る。
物理と道義の両面から自衛戦略を整えていかなければならないと言える。

世界人類は、香港市民を称えている

いっぽうの香港市民デモは露骨に言えば当初から「八方塞がり」だった。
一国二制度には期限があり、今いかに抵抗してもいずれは中国そのものとなる運命。
また市民デモで政府に要求を呑ませることは民主主義制度のもとでのみ通用する手法。中国のような国民主権ではない国でのデモは始めから革命に変わることが必至だ。

今、表向き一国二制度の地として針の孔のような可能性にかけ、香港の市民はデモを始めた。
だが最初からその道に出口はないと私は思っていた……。

 軍隊が投じられての弾圧は確実。
仮に軍隊は来なかったとしても、逮捕され拷問処刑される未来が待っている。
どう考えても希望の出口はない。
そのことを充分に分かっていながら、自由のために立ち上がった市民たち。

そんな香港市民の驚異的な勇気と、「義(正義)」を求めて貫き通す熱い心に私は深い感動を覚えている。
香港市民は人として何が大切であるのかを分かっている。あれほど非人道的で残虐な国家権力を前にして、恐怖もその信念を妨げることがない。
民主主義の人々と言うよりもまるで古代中華人のようだと感じた(そもそも古代中華は革命思想が根幹で民主のような世界だ)。
現代でこれほど義を知り熱い心を持つ人々を目撃できるとは思わなかった。
私は香港市民を心から称える。

以上は人間としての感情的な意見。
しかし感情はとても大切で、時に現実物理を越えた力にもなる。
今、世界人類で香港市民に共鳴し、また同情して支持をしたいと考えている人々は多いだろう。
残念なことに最も共鳴する素質を持った中華人が、今もはや大陸では絶滅寸前なのだが……。
(今のところ日本へ流れて来るのは、政府に洗脳されきった中共シンパのコメントばかりで残念。大陸奥地には共鳴している者が大勢いると思うが無言で潜伏しているはずで、まとまりをもって現れて来るには時間がかかるだろう)
しかし中共シンパを除いた世界人類は香港市民の味方だ。

既に世界が香港市民の勇気を目撃している。仮に香港市民が勝利できなかったとしても伝説として歴史に刻まれる。
真実の「最終勝利」は、香港市民に約束されていると言える。

しかし香港市民はやはり現実で勝利したいのではないだろうか?
そのための基本の基が、香港市民には欠けていた。今までは。


「水革命」の真意

ここから曖昧にぼかしてざっくりしたことを言う。

まず再確認しておきたいのは、始めから「香港市民デモ」はデモから革命へ変わるべくして変わったのだということ。

明白に変化した瞬間は、“Be Water”というスローガンが世界へ発信された時だ。
“Be Water”とはブルース・リーがカンフー思想として言った、
「水になれ」
という言葉が元になっているという。
捉えどころなく、形を変えて流れていく水のようになれ、と。
香港市民デモも「水のよう」にリーダーを持たずに捉えどころのない方針。

このスローガンが世界に配信された時から香港市民デモは
「水革命」
と呼ばれるようになった。

www.fnn.jp

水は確かに捉えどころがない。それでいて、どれほど堅牢な建物も圧倒で押し流す濁流にも変化する。
香港市民はこのイメージで「水革命」を名乗ったのだと伝えられたが……。

本当にそれだけだろうか?

中国文化に詳しい人々は真の意味に気付いたはずだ。
“Be Water”は捉えどころをなくせ、という意味ではない。それどころかもっと強い、「火を消せ!」というスローガンであるのだと。

現に香港デモを眺めていると、黄色と黒が目立つ。
たいていスローガンは黄色の地に黒文字で書かれる。
一時期から市民たちが着るようになった黒服は市民活動「ブラックブロック※3」をイメージしたもの、と思われているがそうではない。

黄色と黒は勇気のしるし、というわけでもない。(年配向け)

分からない方は参照:
rtk3alliance.kslabo.work

彼ら自身が公に言っていない話なので書くのもどうかと思ったが、大陸の知識人たちはとうに気付いていることだろう。

だから、あの時期からデモ隊は過激化した。
そして弾圧も激しくなった。

もはやこれは明白に革命、香港の人々の決意はそこまで固まっている。
香港市民は「暴徒」になったのではなく「革命家」となったのだ。
中国政府が最も恐れていた事態が現実化したわけだ。


水たちよ、世界へ拡散せよ!

10/4デモ隊の一部が香港政府樹立を宣言したことにつき、「下手を打った」「悪手だ」という声が多い。

私もこれはまだ時期尚早で、大変なことになったとは思う。できればもっと準備を整えたうえで宣言すべきことだった。
人民軍を香港へ入れる口実を与えてしまったことになるだろう。

だが、香港市民にはこの手しか残されていなかったことも確かだ。
一国二制度がいずれ終わり中国へ飲み込まれるしかないのなら、独立国家を宣言するしかない。
独立国家を宣言すれば欧米の承認と支援が得られる可能性も出て来る。※4
うまくやればこの針の孔が広がり、現実的な勝利も有り得るかもしれない。

そのために香港デモ隊は国家としての「基本の基」を整えなければならないだろう。
水流も、源がなければ流れ続けることはできない。

【基本の基】
  • 香港国政府のリーダーを選ぶ(名前のない頭主では国として認められない)
  • 国家の法律を整える
  • 指揮命令系統を整える(民主主義的な命令系統ならその手段を明確にする)
  • 兵隊を持つなら人道を守らせる(不必要な暴力はご法度、破壊活動をしない)
  • 宣伝部隊を作る(世界の支援を集めるための宣伝)

……若者には難しいだろうな。誰かプロの大人に頼むべき。

また、意地を張っていないで主要メンバーは亡命すべきだ。
できればこの政府のリーダーも香港にいるべきではない。
「拡散せよ!」とはその意味。
周庭さん始め、シンボルとなっている人たちは言うまでもなく宣伝部隊として世界へ散れ。
その他にも気概ある若者たちは世界へ散って、中共に対抗する勢力となって欲しい。

長い戦いを覚悟して戦うことだな。
冷静に淡々と流れ続けろ。
それが、「水」たる者の特性。

世界へ行けば活路が無きにしもあらず。
各国に華僑がある。
イギリス他、密かに支持する国々もあるだろう。
陰謀論を唱える人々も多いが、逆にその噂話を現実にして資金を集めてはどうだろう?もちろん反社会的勢力は除いて。
敵から見れば「陰謀」であっても味方から見れば正当な「戦略」に過ぎない。※5

以上……。長文になってしまった。
簡単で具体性がなくて申し訳ない。
いずれまた事態に応じて言及していきたい。

私が今、香港の若者たちへ願うのはとにかく一つだけ。どうか生き延びて未来を得て欲しい。
「水」たちへこの願いが届けばいいが。


【注記】

※1 「外国籍」とは 人種差別するつもりは全くない。ただし他国侵略を手引きする目的の居住者に主権を与えるわけにはいかない。当たり前。こちらが殺されるのだから。

※2  これは独白:安倍さんが改憲の発議をするとしても、九条だけというわけにはいかないのだろうか。以前のまま国民主権を制限する条項を入れたなら通すのは難しくなる。すると改憲が遅れ有事に間に合わなくなる。緊急事態条項の何がいけないのかと言うと、国民を守る最後の砦としての憲法が無効化するから。つまりそれは結果として中国と同じ法制度になることを意味する。仮に共産などの独裁を狙う政党が政権を執った時、一気に中国と同じ人権侵害国家に変わってしまう。緊急と言いながら必ず永久となるだろう。

※3  ここは始め「フランス革命」と書いていたが誤りだったので訂正。黒服は欧米アナキズム、左翼運動の象徴だそう。香港は反共なのに左翼の意味で黒服を着るのはやはりおかしい。

※4  国家ではない香港へ外国が手助けするのは内政干渉でしかないため不可能。

※5  だから日本人が陰謀論を唱えて香港市民を叩くのは完全に意味不明。今さらイギリス侵略を恐れる時代ではない。幕末でもあるまいし。香港市民の活動を「陰謀」と呼ぶ視点を持つ者は、中共のみ。そう呼んだ時点でお里が知れる。

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